任意の花言葉をモチーフに、作品を作る。作中には花だけを登場させること。花言葉を使ってはいけない。
隠されたメッセージに気付いてもらえるのか。読み解くことができるのか。作品たちを通して、作者と読者の思いが交わされる。
小さな村に、若い花売りが訪れた。
花売りの元を訪れる客たちは、それぞれに色の違う薔薇を買って帰って行く。
大切な人へ贈る薔薇、その色にこめられた思いとは…?
秋の日。母と二人の帰り道。
思い出したくない記憶。線を引いた言葉。
少女と少女は想いを交わす。
青い星。青い大地。青い熱。
かける言葉は見透かした彼女の本心か、
それとも。
少女は少女のことを想う。
俺と彼女はオンラインゲームのフレンドだ。
彼女がどこに居るかも、
何をしているかも知らない。
やりとりされるメッセージから、
少しだけ変わる日常。
越後古志に産まれたその男児は、世に憚るほどの美貌に恵まれていた。
稚児として氏神の元へ向かう道の途中、
とある娘と吉兆を占う。
花に占われた宿命、男児と娘が迎えた結末とは。
遠い昔の母の記憶。カメラを向けた綺麗な人。
偶然の出会いから惹かれあった二人。
いつもと違う服を着て出かけた、
その行き先は……。
花と目が合う。あの日の事を思い出す。
わからなかった彼女の心の内。
普通から抜け出したいと願う、とある女の子のお話。
夢に見た光景。預かった花の種。
どこかにあるはずの大切なものを探して、
あたしは旅に出る。
普通を見失っていた、とある女の子のお話。
自分のほかに居た生き残り。
しかしその顔を知る前に、
彼は死んでしまった。
彼の頭蓋を抱えた私は、
二体のドローンと共に旅立つ。
SNSで見かけた<会えない人へ思いが伝わる古井戸>に興味を持った深雪。
彼女がその古井戸を訪問した帰り道に起こったこととは……!?
フィオリーナが訪れたブルニアの街では祭りが行われていた。
花を集め、祈りを捧げる式典。
着々と行われる準備の中、
不穏な気配に気付いたフィオリーナは……?
「花言葉数えて眠る愛し子に
何の呪いの花を降らそう」
花と紡ぐ9つの短歌。
太宰に関する花で有名なのは「月見草」だが、それだけではない。
さくらんぼ、夕顔、藤……太宰にまつわる花々について綴るエッセイ。
「一人の人間が、数多の初恋を経験する方法や如何に?」
タリの町、別名「再会の町」を訪れたフィオが遭遇した事件とは…?
キマイラの宴の前日談にあたる物語。
(恋号からの再録)